ビジネスメールで頻繁に見かけるフレーズ、「お手数をおかけします」。
便利な言葉ですが、実は使い方を間違えると「少し不自然」「上から目線」と感じられることもあります。
この記事では、「お手数をおかけします」の正しい意味と使い方、
また場面ごとの言い換え表現まで詳しく紹介します。
「お手数をおかけします」の意味
「お手数」とは、相手に“手間”や“労力”をかけさせることを意味します。
つまり「お手数をおかけします」は、
“あなたに手間を取らせて申し訳ありません”という謝意を含む丁寧な表現です。
💬 例文:
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
この一文には、
「お願い」と「お詫び」の両方の気持ちが込められています。
「お手数をおかけします」はいつ使う?
相手に何かを依頼するときや、確認・対応をお願いするときに使うのが基本です。
💼 【依頼・確認のお願い】
お手数をおかけしますが、下記内容をご確認いただけますでしょうか。
お手数をおかけしますが、資料をご送付いただけますと幸いです。
➡ 依頼文を柔らかくし、相手への気遣いを伝える効果があります。
📨 【再送・再確認をお願いするとき】
お手数をおかけしますが、再度ご確認いただけますでしょうか。
➡ 同じ依頼を繰り返す際も、角が立ちにくくなります。
☎️ 【トラブルや遅延時の対応依頼】
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。お手数をおかけしますが、ご確認をお願いいたします。
➡ 「ご迷惑をおかけします」との組み合わせはよく使われる定番パターンです。
よくある誤用・注意点
便利な言葉だからこそ、使い方を誤りがちです。
以下のようなケースには注意しましょう。
❌ 【自分の行動に使ってしまう】
× お手数をおかけしますが、こちらで対応いたします。
➡ 「お手数」は相手の手間に対して使う言葉。
自分の行動には「ご足労」や「恐縮ですが」などを使います。
❌ 【“お手数をおかけしました”と“おかけします”の混同】
「お手数をおかけします」=これから手間をかける(未来形)
「お手数をおかけしました」=すでに手間をかけた(過去形)
➡ 時制を間違えると違和感が出るので注意。
❌ 【何度も繰り返す】
1通のメール内で「お手数をおかけします」を何度も使うとくどい印象になります。
➡ 2回目以降は「恐縮ですが」「ご確認お願いいたします」などに言い換えましょう。
ビジネスメールでの使い方例

実際に使える文例を目的別にまとめました。
【依頼メール】
お手数をおかけしますが、添付の資料をご確認ください。
ご確認後、問題なければご返信をお願いいたします。
➡ 基本的で最もよく使われるパターン。
【お詫び+依頼】
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
お手数をおかけしますが、再度お手続きのほどお願いいたします。
➡ お詫びの気持ちが伝わる柔らかい印象に。
【社内向け】
お手数をおかけしますが、会議資料の最終確認をお願いいたします。
➡ 目上・同僚どちらにも使える便利な表現です。
「お手数をおかけします」の言い換え表現
同じフレーズを何度も使うと単調になるため、場面に応じて言い換えると印象が良くなります。
💬 「恐縮ですが」
恐縮ですが、ご確認をお願いいたします。
➡ 相手の時間を奪う場面で、ややフォーマルな印象。
💬 「ご確認をお願いいたします」
下記内容をご確認をお願いいたします。
➡ シンプルで社内メールに最適。
💬 「ご対応をお願いできますでしょうか」
お忙しいところ恐縮ですが、ご対応をお願いできますでしょうか。
➡ 相手の負担を和らげる柔らかい表現。
💬 「お手数おかけしました」
お手数おかけしました。ご協力ありがとうございました。
➡ 過去の手間をねぎらう表現。お礼のニュアンスを加えたいときに。
組み合わせで印象が変わる
「お手数をおかけします」は、他の表現と組み合わせることでより丁寧になります。
✅ 「お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします」
➡ 最も一般的で、依頼の最後に入れる締めの一文。
✅ 「お手数をおかけしますことをお許しください」
➡ 少しかしこまった表現。役職者や目上へのメールに。
✅ 「お手数をおかけしますが、ご理解のほどお願いいたします」
➡ 依頼+理解を求める際に自然なフレーズ。
まとめ:「お手数をおかけします」は思いやりの言葉
「お手数をおかけします」は、
相手への配慮と感謝の気持ちを伝える表現です。
正しく使うポイントは3つ。
1️⃣ 相手の手間に対して使う
2️⃣ 時制を間違えない(おかけします/おかけしました)
3️⃣ 繰り返さず言い換えを活用する
この3点を押さえれば、ビジネスメールがより丁寧で洗練された印象になります。
言葉は相手を思う“姿勢”そのもの。
今日から「お手数をおかけします」に、
心を込めた一文を添えてみましょう。

