クレーム対応のメールを書くとき、最も大切なのは「誠実さ」と「丁寧さ」です。
どんなに内容が正しくても、冒頭のあいさつ文が冷たく感じられると、相手の不満をさらに強めてしまうこともあります。
この記事では、相手の気持ちを落ち着かせ、信頼を回復するための
クレーム対応メールに使える丁寧なあいさつ文例を紹介します。

クレーム対応メールの基本構成
クレームに対して返信するメールは、次の3つの流れが基本です。
1️⃣ お詫び・感謝のあいさつ
2️⃣ 問題への理解と対応の説明
3️⃣ 今後の対応・再発防止・締めの言葉
特に1️⃣のあいさつ部分で、相手の感情を受け止める姿勢を見せることが大切です。
まず伝えるべきは「お詫び」と「感謝」
クレーム対応では、最初に
「ご迷惑をおかけし申し訳ございません」
という一言を入れるのが鉄則です。
ただし、あいさつ文の形にすることで、より柔らかく誠意が伝わる表現になります。
【基本のあいさつ文】
このたびはご不快な思いをおかけし、誠に申し訳ございません。
ご指摘をいただき、心より感謝申し上げます。
➡ クレーム対応では、「謝罪+感謝」を一文にまとめるのが理想です。
【社外向けの丁寧な冒頭文】
平素より弊社商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたびはご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
➡ 取引先や顧客宛てには、まず日頃の感謝を述べてから謝罪へ。
クッション言葉を先に置くことで印象がやわらぎます。
シーン別:クレーム対応メールの冒頭文例
ここでは、状況別にすぐ使える文例を紹介します。
【商品やサービスへの不満】
このたびは、弊社商品に関してご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。
お忙しい中ご指摘をお寄せいただき、ありがとうございます。
➡ 相手の行動(連絡してくれたこと)に感謝を添えると、誠意が伝わります。
【システム・サイトの不具合】
平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたびはシステム不具合によりご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
➡ システム関連では、「原因調査中」「復旧対応中」などを次の段落で補足します。
【配送や対応の遅延】
ご注文の商品のお届けが遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。
ご不便をおかけしましたにもかかわらず、温かいお言葉をいただき誠にありがとうございます。
➡ 相手が怒っていなくても、誠実なトーンを保つのがポイント。
【対応スタッフへの不満】
このたびは弊社スタッフの対応に至らぬ点があり、ご不快な思いをおかけしましたことをお詫び申し上げます。
貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。
➡ 「ご不快な思いをおかけしました」という表現は、相手の感情を受け止める一言として有効です。
中盤での丁寧な言い回し

あいさつの後には、状況説明や対応内容を伝えますが、直接的な言葉になりすぎないように
以下のようなクッション表現を使うと穏やかに伝わります。
クッション言葉の例
恐れ入りますが
ご不便をおかけしておりますが
誠に勝手ながら
ご理解賜りますようお願い申し上げます
例文:
恐れ入りますが、原因の確認にお時間をいただいております。
ご不便をおかけしておりますが、復旧まで今しばらくお待ちくださいませ。
➡ 直接的な言い方を避け、「柔らかい依頼・説明」にするのがポイントです。
締めくくりのあいさつ文例
クレーム対応の最後は、必ず「再発防止」や「感謝」で締めましょう。
【定番の締め文】
このたびの件につきましては、社内で共有のうえ再発防止に努めてまいります。
今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
【お詫びを重ねて伝える場合】
改めまして、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後このようなことがないよう、誠意をもって対応いたします。
【感謝を込めて締める場合】
このたびは貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
ご指摘を真摯に受け止め、今後の改善に活かしてまいります。
➡ 謝罪だけでなく、「感謝」「改善」「再発防止」を加えることで、誠実な印象を与えられます。
クレーム対応メールのトーンまとめ
| 要素 | 書き方のポイント |
|---|---|
| あいさつ | 感謝とお詫びをセットにする |
| 文章のトーン | 感情を抑え、穏やかに |
| 理由説明 | クッション言葉でやわらげる |
| 締めくくり | 再発防止・今後の改善を明記 |
「お詫び+感謝+誠意」
この3つがそろえば、たとえ短いメールでも丁寧な印象になります。
まとめ:あいさつ一文が信頼を取り戻す
クレーム対応メールの冒頭は、たった一文で印象が決まります。
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
ご指摘いただき、誠にありがとうございます。
このように、相手の不満を受け止めながら感謝を伝えることで、
「誠実に対応してくれた」という印象を残すことができます。
謝罪の言葉こそ、会社の信頼を回復するチャンス。
一文一文に丁寧な気持ちを込めて、落ち着いたトーンで伝えましょう。
